The Spinal Engine Theory

Rolfing

今回のRitaせんせのテーマ「ら旋の動き」なんですが、先生からのご説明にもあるように、歩行動作等ヒトの動作としては、基本的な運動だと思っております。そうした観点からSerge Grakovetskyという博士の提唱する「The Spiral Engin」という理論から抜粋して、今回のテーマをちょっと掘り下げてくれました。

素人に毛が生えた程度の私が手を加えるとおかしなことになりそうなので、そのまま日本語訳で掲載します。

歩行の力学

歩行に関する多くの理論は、比較的最近まで、脚が歩行を行い、脚は比較的受動的である脊椎を担うとするパラダイムを受け入れていました。

しかし、Serge Grakovetskyは、「脊椎エンジン」と呼ばれる別の歩行モデルを提唱してこのモデルを逆転させ、背骨は受動的なものではないことを提唱しています。 背骨は実は歩行の「エンジン」であり、脚(と腕)が歩行の燃料を供給しているのです。(Grakovetsky The Spinal Engine 1988 & Analysis and Interpretation of Gate In Relation to Lumbo Pelvic Function 2001).

私たちが二足歩行になり、直立するようになったとき、移動が生存のための主要な手段となったため、最も少ないエネルギーを消費するような選択を進化させたと考えることができると、彼は唱えています。

なぜ、背骨はまっすぐで硬くならずにカーブを保ち、圧縮と回転の能力を持ち、適応性がある一方で、傷害の可能性もあるのか? このような湾曲、適応性、脆弱性は、脚によって運ばれる硬いまっすぐな背骨と比較して、どのような利点があるのでしょうか?

彼は、脊柱前弯症が重力下で私たちが快適に過ごすための鍵であることを示唆しています。子宮の中にいるとき、私たちは後弯しています。前庭神経が発達し、頭が食べ物やお母さんのおっぱいに向かうようになると、首の前弯が始まります。坐骨神経は幼少期から発達し続け、最終的には脚を下に持っていく役割を果たし、腰椎の前弯が形成されます。

このように、順応性の高い背骨に沿ったカーブのシステムは、手足から燃料を供給され、運動するためのエンジンとなっています。

エンジン

右側の傍脊柱筋を収縮させれば 右側屈になります。胸椎も同じです。
カーブしているため、側屈は反対側へのトルクに変換され(右側屈、左回転)
これが2本のガードルに伝わり、駆動します。

このトルクは、椎間板を含む椎骨の周辺にある最も本質的な構造の筋膜床に至るまで伝達されます。この粘弾性地形全体が、この螺旋状の力学の圧縮と張力のエネルギーを集め、蓄積し、そして放出することのできる、❖プロプリオセプティス反応エンジンなのです。

これによって、歩行や走行における重力の中心的な役割が明らかにされました。この “脊椎エンジン “は、上昇と下降を繰り返す内部対側螺旋動力学として見られ、経験されるのです。

燃料を供給する四肢

頸椎はトルクを反転させ始めるので(同じ側に曲がって回転するため)、頭は静かでトルクのかかる力から解放されたままです。 頭は脊椎エンジンに捕らわれることもなく、燃料を供給することもないのです。

ヒトがうまく方向性を定め統合されたとき、両ガードルの対側トルクは等しくなるはずです。そうすると、背骨は、ある時は強い安定性を保ちながら、ある時は微調整に非常に適応しやすい状態で動くことができるようになります。

歩くことは、エネルギーを消費するのではなく、エネルギーを変換することになるのです。

結合組織は不活性ではなく、固有受容性を持っているため、身体は結合組織の粘弾性固有受容性によって休息と活動を調整することができるのです。 身体の多くのシステムは、充電から放電まで、弾力性のある準備の弧を描いてこのように「揺れ」ます。

以上です。この「揺れ」こそが〖ラセンの動き〗そのものだと勝手に解釈しておりますが、いかがでしょうか?でも確かに、気分的調子がイマイチの時でもシャリムリ身体を動かすことで、復活する時もありますね。難しいことはわかりませんが、脊椎が構造上きちんと働くことで、エネルギーの消費をしながら蓄積し、放出へと一連の流れを作るには「全体性ある流動的・ラセンの動き」が端緒になっているのかもしれません。

❖プロプリオセプティスとは、、、生体内で発生し、知覚される刺激、特に身体の位置や動きに関連した刺激に関するもの。外受容、内受容と比較される。

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