The bowels

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腸は第二の脳とも言われています。そう言われると、考えるだけの能力を持っていると思いがちですが、ちょっと違うようです。その理由をざっと整理してみましょう。最近はお勉強のお時間多いですが、まぁそんなに難しく考えず、頭に入れてみるとこれまでのものが繋がったり、後々繋がってきたりとすることありますので、暇な方お付き合いください。ちょっとした豆知識です。

まず第一の理由としてあげられているのは、脳からの信号を待たず消化をするところにあります。言うこと聞かない分からず屋的存在ですが、自分の意思をはっきりと持っていると言っていいのでしょう。これは他の臓器と違い、脳に対して反抗的ではないでしょうが、ンな権威にビビることなく独自の裁量で動いているということですね。

なぜそうやって、独立的な動きができるかというと、約10mほどの長さを持つ腸には、1億以上もの脳細胞が存在しているからです。これは、ハミ出し者の脳細胞が、腸に遠征して来ているからです。このハミ出し者たちのニューロンの数は、脊髄や末梢神経よりも多く、脳細胞により腸はすでに占領されていると言っても、過言ではないのでしょう。

また、腸の神経系は消化や排泄を司る絶対者として君臨し、あらゆる機能を遂行しています。俗にいう太陽神経叢(ソーラー・プレクサス)と呼ばれる神経細胞の集合体が、胃・腸・肝臓・膵臓・脾臓・胆嚢といった消化器の内臓と密接につながり、それぞれの臓器がきちんと働くように調整しているんです。科学者の中には、これらが「自律神経のコントロールセンター」の本丸とみなす人もいるようです。ただ実行刺激を感知したのち、脳からの指令に関係なく直に腸へと指令を出す頼もしいやつです。見方を変えると人間の文明開化の過程で、脳が司令塔のように言われているだけで、腸あっての司令塔だったとも受け取れますね。

その理由として、腸には迷走神経が走っており、その繊維の最大90%までが、脳へと情報を運んでいるからです。腸からの刺激が感情の信号として脳へ行き、それから指令を出しているわけです。まぁ現代社会ではその指令通りにすると、理性のない人とみなされ社会不適合者の烙印押されるので、時と場合による無意味な理性が、ストレスとなってのしかかってくるんじゃないでしょうか。田畑さんがよく言う「肚の感覚」を信用して生きること、大切ですね。

また、抗鬱剤として身体の調子を整えるという素晴らしい気分物質のセロトニンは、およそ95%腸の中で生活しているようです。このセロトニンのおかげで、腸の中はいつも素敵な状態になるはずなんですが、雑な食事や薬、抗生物質の服用により、気分物質セロトニンを厄介な状況に追い込んでいるのです。口から入れるものは、人間のエネルギー源ですから、それなりに気を使う必要もありますね。

このセロトニンと腸の関係性から浮き彫りになったのが、骨との意外な関係です。というのも、腸からセロトニン放出を抑制したところ、骨粗しょう症の骨密度低下を抑えたそうです。これは、マウスの実験で検証されたのですが、骨粗しょう症の新薬研究につながったようです。いつもマウスにはお世話になってますね。腸内をいい環境で保てば、骨も強くなる、牛乳いらずです。

また、腸には脳細胞があるだけでなく、約70パーセントという大量の免疫細胞も宿しています。これは腸関連リンパ組織といい、外部からの侵入者を撃退するうえで大きな役割を果たす傭兵です。腸関連リンパ組織と腸内細菌叢(腸内には数兆もの細菌が生きており、そこは微生物の宇宙)は、病気に打ち勝つために懸命になって働いてます。だからこそ、悪い細菌と一緒に有益な細菌まで殺してしまう抗生物質の使用は、細心の注意が必要みたいです。昔は気にせず抗生物質よく服用していました。だって病院なんて全然ないとこ放浪してたんだもん。

その他にも、自閉症と腸内細菌株の関係性や、食べた物によってドーパミンやセロトニン放出を刺激したり、脳にある麻薬受容体も存在しているといった、とにかくいろんな役割を持っていることから、第二の脳と呼ばれているのです。

こうしてみてみると結局人間は、腸の指令により動く動物だと感じるのですが、いかがでしょうか。それが人間の進化の過程によって脳が発達し、こうした社会生活を送ることができている気がします。だからと言って脳が全てを支配できるわけではないわけで、根本的なシステムとして、腸は指令を出し続けるのでしょう。「脳は騙されるが、肚の感覚は間違いない」と田畑さんがよく言ってますが、騙されるわけではなく、腸の感覚に対し、反抗した司令を出しているだけかもしれません。所謂聞かずゴロって奴ですね。

生物として生きるために腸が重要で、人間として生活するために脳を使う。感覚を受け取る腸と指令を出す脳。実は脳が第二の腸?