みなさんに情報提供をお願いしておきながら、本人知らんぷりではお天道様に顔向けできぬ。というわけで、早速私が情報提供でもやってみようかと拙い記憶を思い起こし、こうしてパソコンに向かっております。
これまで私が出会った講師は、Herve, Konrad, Pierpaolo, Giovanni, Harvey, Nicola, Marius, Hubert, Carolと、そうそうたる顔ぶれです。ヨーロッパでのトレーニングを受けた方々には、そう珍しくない顔ぶれであり情報はたくさん出て来そうです。そんな豪華メンバーの中でも私が真っ先にご紹介したいのは、一緒にWSを行ったヨーロピアンムーブメント講師、Nicola Carofiglioです。
彼は生粋のイタリアンです。基本的に私が持つイタリアンのイメージとしては、いい加減、情熱的、でもめっちゃくちゃいい奴等。そんな感じです。これまで出会ったイタリアンは個人的にみんないい奴等だったので、とてもいい印象を持っています。実際に長期間、一緒につるんだ奴らはいませんが、とにかく個人的には大好きです。そんなイタリアンに対する常識を覆したのが、ニコラでした。
初めて出会ったときから彼の洗練された動きや佇まいより、私の名付けたあだ名は「精密機械」でした。ベジータのような風貌を持ち、ターミネーターの如く緻密で俊敏な動きは、まさに精密機械。しかも彼が一言喋り出すと、テンポある独特な「間」を持って生徒を虜にしてしまう強烈なキャラクターの印象が強かったと記憶しています。
そんな彼を日本へと招聘し、WSを開催したのですが、彼にとっては人生初のアジア。しかもエキセントリックバビオニア東京は、繊細な精密機械である彼にとってかなり大変だったようです。身体内は大都会の喧騒によりカオスな状態に陥り、さらに時差ぼけによる寝不足は彼の食欲までも奪い去り、内心私は10日間のWS全行程を彼が務めること大丈夫なのか心配でした。そんなボッコボコであろう身体・精神状態の彼も、一旦クラスが始まるとそのような姿を一切見せず、いつもの精密機械へと戻る彼を見て、プロ意識を改めて感じさせられた次第です。
実際にクラスでの発言は、言葉の選び方もエレガントで場の雰囲気を創り出すというか、生まれるって感じ?そんな生命の誕生をも彷彿させる空気感に包まれ、クラス全体が躍動しリゾネき、一つになる。そんな不可思議な感覚を置き土産として、母国イタリアへと戻って行きました。
今回約10日間の短い滞在期間中、ホテルと会場・田畑さんのオフィス以外一切外へと出ることもなく、ただただ田畑さんと会うために日本へと来たニコラ。唯一行った東京観光は、なぜか浅草寺ではなく、上野の西郷隆盛像のみでした。
私の眼に映る彼は、お仕事として公衆の面前に出ると愉快で陽気なイタリアンを演じる、非常に繊細でピュアな精密機械。イタリアのクラフトマンシップを彷彿させる、洗練された職人でした。
現在ニコラに、インタビューした動画のビデオクリップ作成中です。もう少々時間かかりそうですが、かなり面白い内容です。乞うご期待。