効果なし

Rolfing

ロルフィングをグーグル君で検索するとおまけで「効果なし」が検索候補として出てきます。残念なことですが、確かに一理あると感じるところもあります。本日はこの「効果なし」について少々真面目に物申していこうと思います。

そもそもロルフィングとは、医療行為とは違い特定の部位にのみ働きかけるものではありません。筋膜のネットワークに働きかけ、身体全体のバランスを整えるメソッドです。このバランスを整えるに当たって、普段の姿勢や初歩的な動作である歩行にフォーカスし、10回のセッションにより身体の統合を目指すというものです。

ムーブメント・セッションにおいては、動きのパターンを改善することがメインになってくるので差別化しやすいですが、ベーシック10セッションにおいては身体筋膜組織のネットワークを手技療法においてマッサージのような感じで進めていくので、他の一般的な施術と混同しやすいのだと思います。

セッションを受けることで、これまでの不調や慢性的な痛みが軽減されることはあるでしょうが、そこに焦点を当てているわけではありません。ということは、治療ではないということです。やる人によっては、鍼灸の資格を持っていたり、他のメソッドと組み合わせているようで一概に言えませんが、私自身ロルフィングとは、「身体のメンテナンス」だと考えています。

いってみれば、健康のためにジョギングをしたりヨガ教室に通ったりするのと似たようなものでしょう。ただエクササイズと違い、いわゆるボディーワークという括りになっています。世界三大ボディーワークとしてこれまで、フェルデンクライス、アレクサンダー・テクニーク、そしてロルフィングが顕著でしたが、最近はもっと沢山あるようです。このボディーワークとやら、あまり日本では聞き馴染みのないものです。多分。

というわけで、全く違った種類のものだと捉えてもらった方が、わかりやすいのではないかと思います。特に筋膜に対してのアプローチなので、定着するまでに時間を要します。ですから即効性は望めませんが、10回というプロセスに分けることで、急激な変化を起こさず身体に馴染ませながら変容していくことが可能となります。そうした変容が、時間をかけて重力と共に個々のバランスへと立ち返っていくのです。

実際に他の施術を受けたり、病院などに通ってもどうしようもないということで救いの手を求めて来る方もいますが、それにしてもロルフィングをきちんと理解できていないと、他の一般的な対処療法なんかと終着点が違うので、この辺を混同することで「効果なし」という感覚が出てくるのではないでしょうか。

そもそもどういう「効果」を期待していたかによりますが、マッサージテーブルに横になって受けるのですから、大抵はスッキリしたいとか痛みを取りたいとかリラックスしたいといったところでしょう。そうした願いが叶う事も確かに起こります。が、ただそれに焦点を当てるのならば、他のメソッドを受けた方が賢明だと思います。ロルフィングをどのような理解であれ、「効果を与えてもらえる」と期待して受けるのであれば「木を見て森を見ず」に成りかねません。身体のメンテナンスという考えから、効果は与えられるものではなく、自分で感じることなんです。

かくいう私も、初めて受けた時は「効果なし」に一票を投じた派です。その時のロルファーさんには申し訳ありませんが、ほぼほぼ効果を感じることができませんでした。まぁ私の場合は、資格を取るために受ける必要があったので最後まで受けましたが、そうでなければ間違いなく一回でやめてます。だって金額も安くはないし、イマイチよくわからなかったしで。

なぜ途中でやめなかったのか自分でも不思議ですが、なぜか最後までちゃんと受けてこの資格を取ったわけです。これは、いまだに謎です。大概の人は「ロルフィングを受けて良かったからこの資格を取りました」なんて方ばっかりなんですが、イマイチどころか全然だった私が今こうしていること自体が何とも言い難いです。

ざっとここまで書いてきましたが、身体のメンテナンスとしてバランスを整えることで、実際にどういう効果を与えるのかが重要な点ですよね。それは面倒なので割愛しますが、筋膜は確かにとんでもない効果を発揮してくれます。それは実験台として自分自身が証明できます。ただし、それをどれだけここで説明しても、身体感覚のコトなので、説明も難しいですし理解するのも難しいと思います。

結局は本人が何を望んでいるかでしょうが、こればっかりはやってみないとわかりませんね。口だけじゃ何も始まらないってコトですね。