先月末に、ニコラが母国イタリアで開催したワークショップイベントの概要です。このクラスでの彼の伝えたいことは、そこに存在する人々が自ら直接参加することにより、彼のメソッドによるアプローチがより創造されていくようです。
コースの間、彼自身の身体感覚を伝えながら参加者を導いてゆく方向性は、参加者全ての方に対して、漸進的で調和のとれた発展を尊重しています。例えば「足の骨を感じることは大地からのサポートを感じ取り、骨盤の位置を変えます。そして、しばしば 顔の一部の表現 さえも。」
このワークショップ自体、今回の日本で開催されるものとは表題も違いますが、彼の研究と実践により確立されたメソッドでは、常に私たちは流動性であり”型”にとらわれない「今、時、場」によって常に創り出されるものであると考えられます。知識や情報を通して学ぶことも大切ですが、感覚として捉える重要性を彼のメソッドを通して感じてみませんか。
過去に私を含め、ニコラのクラスを受けた方々の話を総括すると、おそらく個人的には、台本のない演劇のような感じで進むのではないかと感じております。(まさしくLife)もちろん、彼もこの道何十年の経歴を持っていますので、タイトルに沿って大筋の概要はあるはずですが。ここでまた興味が湧いてくるのが、田畑さんとのコラボレーションだということです。身体感覚を深く観察できるよう参加者と共に創り出し、場としての空間との共振性をさらに高める先に待っているものは、各々で創造した世界以外にありえないでしょう。
私がニコラと田畑さん両講師のクラスで感じたことは、一言で言うと、アプローチの方法が、私たち農耕民族と彼ら狩猟民族の文化的相違だと感じました。まぁ、かなりざっくりとですが。私の勉強不足で、陳腐な言い回ししかできないのが残念ですが、ニコラがタイトルとして掲げてきた、Em-body Orient/Occident (東洋と西洋の具現化)”直訳”とは、まさに私が感じていたことをシンプルに伝えてくれるものだと思いました。
事実、彼は今回のワークショップ、初来日で自分自身のメソッドを伝えることを楽しみにしていますが、どうやら田畑さんと会えることを、それ以上に楽しみにしている節があります。おそらく彼の中で、日本で田畑さんと一緒にやることで何かを得て、イタリアへと戻ろうとしているのが見え見えです。ですが、学ぶことに躊躇なく突き進みながらも日々の研究を怠っていない方は、教えることにも長けている。これはニコラに限らず、素晴らしい恩師全ての方々に共通して感じている印象です。身体感覚の表現者と空間の間術師、両講師による”Life”の創造は、知識と情報だけでは追いつきません。体感する以外に術はありませんよ。
詳しくは、ワークショップページで拝見ください。