道具

筋膜マッサージャーなるものをアマゾンで発見しました。高いやつでも15000円程度で購入できるようです。商品のクオリティーはどんな程度かわかりませんが、まぁ大したものではないのでしょう、この価格帯ならば。

実は昨年暮れあたりにすでに発見し、ちょっと気になっておりました。とんでもないテクノロジーを秘めているかの如く商品紹介をしながら、金額は一切公表していなかったので試行錯誤しながらいろんな所で探してみたのですが、そういった類の商品を見つけるに至らず、大体の目安すらつかずそのまま忘れておりました。

この商品自体はスウェーデンで開発されたものらしく、昨年のドイツのデザイン大賞に選ばられた商品です。実を言うと、こうした道具類は嫌いではなくむしろ大好きなのですが、人の身体を扱うに際しては面妖なるものとして、金額次第では試してみる価値もあるかと感じつつも、純粋な好奇心により欲しくもありました。

それがたった半年後には、たかだか一度のセッション料金程度で、しかもアマゾンやら楽天で購入できるとは、現在のグローバルネットワークの壮大さと資本主義経済の貪婪さには脱帽します。もちろんこいつはセッション一回分程度の金額では購入できないでしょうがね。

しかし、筋膜自体が新しい研究分野としてこの数十年の間に出てきたばかりなので、これまでの知識と矛盾せざるを得ない結果を叩き出している以上、これまでの知識や常識を疑ってみる新たな視点が必要ですね。事実、解剖学の教科書には筋膜に関して、ほとんど記述はありません。

筋膜とは、始まりも終わりもない結合組織のネットワークであり、筋肉や骨格から臓器や細胞に至るまで、身体のほとんどすべてを包み込んでいます。それらは、身体のあらゆる部分のコミュニケーションを円滑にし、免疫システムが私たちの健康を維持するためにネットワークを使用しているため、私たちがじっとしているときにも機能しています。筋膜には筋肉の6倍の神経受容体があり、筋膜は固体でも液体(細胞外液)でも存在し、筋膜のコミュニケーションは神経系の15倍のスピードで行われています。約250億の知覚受容体を持つ筋膜は、感覚の器官とも解釈される。

私たちの知性、直感、感覚のすべてがここから始まり、脳の延長線上にあるとすれば、この筋膜が身体を一つの有機体にしているのです。

筋膜について興味がわけば、ご自分で筋膜マッサージャーを購入して試してみるのも面白いかもしれませんね。ただし、機械はどこまでいっても道具です。