続:才色兼備 P

Rolfing

前回からの続きです。

あなたの指導方法・またその考え方はどこから来たのか?

先日、Rolfing® Faculty メンバーのJan Sultan、Michael Salveson、Russell Stolzoffのインタビュー動画、YouTubeを見ていていました。Russell Stolzoffは彼らに、アドバンスト・トレーニングの開発について話していました。Michael Salvesonは、私のベーシック・トレーニングとアドバンスト・トレーニングの講師だったので、彼のことはよく知っています。Jan Sultanとの交流はありませんでしたが、彼のアドバンスト・トレーニングでアシスタントを務めたことで、彼のことを知る機会を得ました。

そう、だから私はマイケルのことをよく知っていると共に、彼からの教えが元となって、今の状態へと繋がっている感じです。なぜなら、私のクラスでの発言自体が、彼がYouTubeで言っている事を、そのままリピートしているような感じがしたからです。私が教えている方法は、本当に彼の言葉から来ている様で、彼が言っていたすべてのものが、受け継がれているのです。もちろん、私なりのスパイスは加わっていますけどね。

マイケルはまだ若い頃に、アイダ・ロルフから講師となるために、直接指導を受けた一人です。彼は、アイダのビジョンと教えに夢中になり、彼女への深い感謝と尊敬の念を、今も変わらず持ち続けています。私はアイダと直接会ったことはありませんが、マイケルを通して彼女へとの架け橋となる、素晴らしいものを手に入れたと思っています。だから、私は本当に彼からロルフィングを学んだと思っています。 そして、その頃に学んだものは、存在や理解を超えて私自身となって一緒にいる気がします。

ムーブメントとは?

横隔膜の動きからすべてが始まります。私たちは欲張りで、子宮の中で母親と一緒にいて、さまざまな動きをしながらこの世界へ誕生し、死ぬまで動き続けます。ですから、生命とムーブメントは一つのものだと思っています。もしそれが凍りついていたら、そこに生命は存在しません。

自分の人生を歩むということは、良いことも悪いことも経験することです。経験の積み重ねこそが、人生だと思います。だから私たちは、美しい経験を求めているんじゃないでしょうか?生命は食べ物や栄養、精神など、自分が求めているものを探すために進んでいるし、そうでないものからは離れていくのでしょう。

そこには、色んな種類の動きがある。例えばゆっくりとした超スローな動きで、私たちをそこに向かわせたり、激動のめまぐるしい動きで、気が付いたら連れて行かれていたりなど。そう、河の流れの様にね。それでも「動き」がある限り、人生は続きます。

息もつかず、動く気もなく、すべてが自分をどこかに釘付けにし、もうこれ以上動けないということがわかると、すべてが止まってしまうのです。そうした願いは、自分自身を締め付けているのです。

私たち個々の動きがあり、この惑星にもまた動きがある。すべてのものが動き続ける限り、それらの関係性の中に「生命」は存在している。この地球は、本当に不思議です。全てが、存在ですね。

私の継父が亡くなったとき、私は15歳でした。彼は家の中で亡くなりましたが、比較的若い人でした。生と死。その違いは、彼が動かなくなったことでした。彼は私にとって、もう別人でした。数分前にはまだ生きていて、その後亡くなりましたが、その違いは彼の動きが失われたことでした。

なぜ、何も動かないのか。 私の人生で初めて動き(ムーブメント)を意識したのは、あの瞬間だったと思います。それは生命が消えて、もう何の動きもないものを見たときでした。

アクションとムーブメントの違いは?

おそらくアクションの中にある小さなテンションは、あなたが意図を持っていることを知っています。ムーブメントはすべての基本です。ですから、意図する前から始まる、基となる動き(ムーブメント)とは同じものだとは考えにくいところもあるでしょう。

動作(ムーブメント)には本当に基本が必要です。また、行動(アクション)とは、動作の積み重なったものであり「動き」というシークエンスの総体だと考えています。

どんな風に生きたい?

どんどん軽くなっていきたいですね。重くて大変で不快な場所に、私を引きずり込むようなもの全てに執着しないようにね。

私は、友好的で楽しい暮らし。そう、一体感や平和が好きなんです。

日本に来るにあたって、何かメッセージはありますか?

何か特別なユニバーサル・メッセージは、持ち得ませんよ。なぜなら、私はグルではないからです。(笑)私は日本で何か特別なことをやりたいわけではなく、ただ人と出会い、その人のあり方を尊重したいだけなのです。

でも、ロルフィング講師として、ロルフィングの知識を広めたり、深めたりするためにできることであれば、どんなことでも自分のメッセージとして持っています。それは、ロルフィングを知る人、またはロルファーだけには限りませんが、その人たちの存在を広げ、発展させるための方法としてですね。

一般的なステレオ・タイプと呼ばれる日本人の姿を知っていましたが、これまで出逢った日本の友人や生徒を見た限りでは、それは先入観や固定観念によるモノだと思っています。私は異文化というだけではなく、日本文化に育まれている謙虚さや慎ましさに非常に興味があります。私自身好奇心が強く、自分自身を深めるための楽な方法を見つけるため、日本という国を経験し、私の気質を少しでも取り入れることが出来たら良いと思っています。

以上、サルデーニャ島からでした。相変わらず、はっきりと物を言ってくれるので面白かったです。私は、彼女からロルフィングを学んだのですが、その頃に受け取った印象とは、全然違うことに正直驚いています。これまで、まぁまぁ厳しい「先生」というイメージを持っていましたが、こうしてお話しした限りでは、5年前に比べると全然違う人みたいです。自分の領分というか、やるべきことをきちんとわかっているのでしょう。改めて感じることは、素晴らしい人たちに出会っていたと、自分自身を振り返ってみました。

自分自身にも、変化が起きているといいんですが、あまりそうは感じないおぢさん50歳です。