渋野日向子選手、優勝しました。おめでとうございます。私はこの数日、ずっとハマっていました。彼女の思い切りのいいプレーには脱帽です。笑顔で常に口角を上げていると、首から下の緊張が取れスムーズに動くようです。のみならず、観客をここまで魅了する彼女の素晴らしい点は、「フロー」の状態を楽しみながら「ゾーン」へと踏み込んでいく勇気だと感じました。
以下、「フロー」と「ゾーン」の解説です。アスリートとして重要な要素でしょうが、私たちの日頃の生活でも必要不可欠な精神状態でしょう。彼女は、とんでもない大舞台でやってのけた訳ですが、意識として頭に入れておくと役立ちそうなので、ご紹介します。
「フロー」とは、アメリカの心理学者チクセントミハイが提唱している、最高のパフォーマンスを発揮できる心の状態だそうです。今やっていることに集中しているが、緊張はしていない。むしろリラックスしているくらいの気持ちでしょう。
「フロー」にいると、人は時間が経過するのを忘れる。また、目の前の課題をこなすこと自体が喜びとなり、報酬となる。そのような心の状態になったときに、自分の最高の実力を出し切ることができるのである。
一方、「ゾーン」は、「フロー」の一形態ではあるが、さらに集中度が高まって、ある種奇跡的な領域にまで達した状態である。「フロー」は日々の練習や試合で、ある程度の歩留まりで達成することができるが、「ゾーン」は、アスリートの全キャリアの中でも2、3度しか達成できない境地である。
若さも勿論あるのでしょうが、攻める姿勢を持ち続けることが「ゾーン」の境地への一歩であると考えます。「フロー」の状態で満足していたのでは、優勝はありえなかったのではないのでしょうか。自分自身でリズムの波を創りながら、捉える所では思い切りいく。最高のプレーでした。
終始笑顔を絶やさず、なおかつ瞬時に切り替えができるプレースタイルは、私のセッションでも見習いたく取り入れたいものです。4日間という世界の大舞台の中で「フロー」と「ゾーン」の波に乗り続けた彼女。お疲れ様でした。