Ecuador

Surf

ペルー北部にあるサーフタウン、マンコラを夜出てエクアドルの首都キトに着いたのが確か朝方でした。途中何度も軍隊に、バス降ろされてパスポートチェックやられ、睡眠不足のままバスターミナルに到着したことを覚えています。そのまま時間がないので、タクシーを捕まえ空港まで行き、そのまま一気にパナマへ飛ぶ計画でした。普段絶対にタクシーは使わない主義だったんですが、時間にも余裕がなく初めての地ということで、自分自身に後ろめたいもの感じながら、まぁ明日の朝にはサンタカタリーナと期待に胸膨らませてました。

空港でチェックインしようとすると、片道切符じゃ載せないと言われ「俺は日本人だから片道切符でも問題なし」と必死の抵抗するもそこは南米のラテン民族。一旦言い出したら絶対聞きません。もう少し旅慣れていれば、その場で正規のチケット購入し後ほどキャンセルという手で乗り切ったのでしょうが、寝不足の上そこまで知恵も回らず、結局自分の持っているチケットをキャンセルする羽目に。

それはそうと、これからどうするかと考えること10分程度。この国の波乗り情報としてその当時、有名なのはモンタニータという街でしたが、どうやらヒッピーやらサーファーやら入り混じっているというお話で全然興味なし。ペルー滞在中に仕入れた情報で、その当時はこれまたシークレット的なスポット・モンピチェMompiche ここは滅多に波上がりませんが、一度うねりが入るとワールドクラスのレフトハンダーが炸裂します。小さくてもそれなりに波乗りできますし、なんて言っても村がコジンマリして過ごしやすいです。

とりあえず、ここに行こうとバスターミナルへと戻りバスを調べるも全くもって誰も知らない。モンピチェなんて村知ってるのは皆無に等しく、地元民さえよく知らない村。中々見つからず散々でした。なんとか英語が理解できる大学生を見つけ、その娘頼みでターミナル内をうろちょろして、ようやくバスチケット購入。エクアドル内のどの辺にあるかも知らず、村の名前だけの情報でよく行けたなぁと感心します。その気になれば、どうにかなるもんだと悟ったのはこの辺りからでした。まぁ始めから行く気あれば、それなりに下調べしていますからもう少し楽だったでしょうが、この時はパンアメリカンン航空のオネーちゃんの強情さに負け、こうなった次第です。

とは言いつつ、宿の予約などそれまでした試しもなかったので、そうパニクることありませんでしたが、常に目的地まで行けばなんとかなるの精神で、これ以前も似たような感じですかね。ただどうしても、海のない街中で宿取るのはどうしても嫌だったので、この時はちょっと必死になって「波ある村」を探したのでした。

ネットなどない時代からこうして旅をしていたおかげか、これが当たり前だと感じる人間としてアドベンチャー的な旅には全然違和感がなく、この辺も常にアナログで現地のことは地元民がよく知ってるはずだと思い込んでました。まぁ知らずとも、なんとかなるもんだと、世の中ナメてかかってます。それぐらいの感覚でいないと、中南米の放浪なんて何度ブチ切れるか、、高血圧持ちなんかだと、中米着く前に棺桶に入るハメになるでしょう。そうして人は、大人になっていくのです。

このモンピチェ、わずか何百人程度の村ですかね。ほんと小さな漁村ですが、あのレフトハンダーの波は、間違いなくワールドクラスです。8foot プラスまで上がってもホールドするでしょう。滞在中まともにうねりが入ったのは数日間だけでそれでも6 foot マックス程度だったと記憶しています。そのサイズあればきっちり巻いてくるし、かなりのロングライドもできるしで、その日はエクアドル全域から腕自慢がやってきていたのを覚えてます。

この国でのサーフィンは、ほとんどばビーチブレイクらしく、 6footオーバーまでサイズが上がってくると何処もクローズするようです。そんなわけでこの小さな村は、波が上がれば忙しくなるのです。数件しかないレストランと宿は、波が無くなるまでちょっとした稼ぎどきとなり、村自体も活気付きます。

地元民もフレンドリーで一緒になって遊んでもらってました。ほぼみんな、自分たちで家を建てているので、暇つぶしに見学ついでに手伝ったりしてました。あの葉っぱの屋根がどうゆう仕組みか知りたかったのですが、逞しいというか生きるために必死に楽しく生活しているなぁ。なんて感じながら、日本はとんでもない贅沢な国なんだと実感したこと覚えてます。

この村には、移住者が多かったですね。イタリアンにポルトガル、アメリカンと多岐にわたる波乗り師がこの漁村で、リッチな暮らしを楽しんでいました。と言っても、皆宿やらレストラン開いて、波ある暮らしを実践していました。ただ、週のうち半分程度は計画停電のおかげで、夜間はローソクが必需品でしたが、タンクの水がなくなると、ポンプで汲み上げることできないので、シャワーもトイレも使えずその辺大変でした。

そんな素朴さ溢れる、常夏のエクアドル、物価は安いしバナナを揚げたやつはビールが進むしで、悪くないです。