カクセイしたことありますか?もちろん、変なお薬を使用してのお話ではありません。ヨガの世界でいうとサマーディ(三味)とでも言うのでしょうか。これは、精神集中が深まった状態を指す言葉らしいですが、インドの聖者は「入滅」をこう表現するそうな。トランス状態なんかともちょっと違い、いわゆる眼覚めた状態。開眼。
私の知人が、つい最近こうした状態に誘われたそうです。そうした場合、まず最初に行うことは相手の話を聞く、ただひたすらに黙って聞く。わけですが、まぁあまり時間的余裕もなかったうえ、直接的な会話でもなかったので、なんとなくニュアンスや相手の心理状態と、そこで起こったであろう事実を照合し、全てを推し測りながら客観的に理解した次第です。
なんといっても私も過去に何度か、このカクセイとやらを体験しておりますので、その辺の経験を元に客観的な判断が下せるわけです。今ここで、私がどういう状況でカクセイを体感したか、を説明する所ではありませんので詳細は割愛しますが、こうした過去の経験によりこの方が体感したと言うカクセイは「ホンモノ」であろうとの推測により先に進めます。
んで次に重要なコトとして、ドーピング検査を行いましょう。まぁ、いわゆる他力本願によるお薬使用によるカクセイは、非常に興奮状態に陥りやすく、一見して正常な状態ではないとわかりやすいので、比較的見破るのが楽です。一種のアウト・オブ・コントロール状態ですが、時には手練れた猛者もいて、外見上普段と全く変わらない方もいらっしゃいますので、念のためという感じです。それでめでたく陰性の検査結果が出た際には、晴れてカクセイ認定証をお渡しし、次なるステップへ精進する励みにしていただきます。また、他者への情報共有を促し、積極的に世界カクセイ促進運動へと努めていただく資格も与えられます。
一体全体どのような状況でカクセイしたのか、その時の状態・状況がかなり重要な要素を占めています。しかしこれには、ご本人の心理および精神状態以外にも外部環境、またはその現場にいた他人との関係性もキーワードとなります。これらを総合的包括的に吟味して、今回はこの告白を、否とは判断できず、そのカクセイは十分にあり得るお話だと納得のいける状況だったというわけです。
どうやらこのカクセイの主は、ついに「禁断の果実」を手に入れたようです。お話の内容と伺った状況からそう判断させていただきましたが、それでは陽性じゃないかと思われる案件でしょうが、世界反ドーピング機構が掲げる禁止薬物リストに「禁断の果実」という文言は一切掲げておらず、審議の結果この覚醒は、紛れもないホンモノの状態であると認定される運びとなりました。ましてやこの21世紀「禁断の果実」を探し出せただけでも、凄いことです。これまでの言動で絡み合っていたものが、上手く結びついたのでしょう。
その際お話される内容は、カクセイのメカニズムとして一つの実例であるということでしかなく、同様な状況を作り上げて挑戦したからといって、あなたもカクセイできるとは限りません。なぜなら、カクセイのメカニズムとは、リアリティ(現実)の中に産み出される創造性の産物でしかないからです。
要するに、その時の刹那にしか起こり得ない実態のない感覚。それは記憶としてあなたの脳裏に残るだけで、実態も何もない。ただその感覚は記憶としてではなく、知覚した身体の知性のみが憶えている。これには日々の鍛錬のみならず、運も大きく左右してくるでしょう。常日頃から意識と無意識への境界を彷徨うコトが、ポイントなんでしょうか。
本日は、世界カクセイ促進運動の一員として戯言を宣った次第ですが、こうしたペテン師顔負けの体験談が多いため、私はあまり信用を得ないのでしょう。ですが性懲りも無く来月は、日本バイオ・コミュニケーター推進評議会の会長としてお話しさせていただきます、では次回。