筋膜(fascia)には連続性があり、隣接する筋膜へと直接接合しています。ですから幾重にも層をなし接合している筋膜によって、全身が繋がっていると言っても過言ではありません。この連続性を活用して「動き」を創り出していくことで優雅なる滑らかな動作が生まれます。
筋膜には、筋肉組織の約6〜10倍以上もの感覚神経受容器が備わっています。感受性が高く内圧・外圧によって痛みを知覚したり、バランスを司る情報を脳へと絶えず送っています。特に足底にはメカノレセプターと呼ばれる感覚センサーが豊富に有り、全身のバランスを司っています。
コラーゲン(細胞外マトリクスの主成分)とエラスチン(弾性に富む硬たんぱく質)を含む筋膜は、可塑性(変形しやすい性質)と弾力性(元に戻ろうとする性質)の二つの特性を持っています。この特性を利用してゆがんだ筋膜を解放し、身体構造の再編成、統合を行います。
過去の事故や怪我による心理的ストレス、偏った生活習慣や加齢による姿勢の崩れ、及び生活環境を背景とした精神的ストレスなどから筋膜組織に歪みが生じ、全体的なバランスを崩し身体機能が低下することで、慢性的な痛みを発すると考えられています。